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自分の人生は自分で決める。向き合い続けた経験が”本当の自信”となり、自らアクションを起こせる人に。 ~常陸frogs OBOGインタビュー 犬塚真桜さん・小貫惟香さん(1期生)~


「卒業生のいま」をお届けする、常陸frogs OBOGインタビュー。今回は、1期生の犬塚真桜(いぬづか・まお)さんと小貫惟香(おぬき・しいか)さんにお話を伺います。

frogsプログラムを経験して約3年。犬塚さんは学生時代を過ごした茨城を離れ、念願のホテル業界へ。小貫さんは都内の大学に進学し、積極的に人脈と見聞を広げています。

プログラム期間中、2人はチームを組み『ローカリー』という「食卓を囲みながら生まれる会話から言語を学ぶサービス」を構築。LEAPDAYでは堂々のプレゼンだったものの、そこに至るまでの道のりは内省の日々だったといいます。逃げずに自分と向き合い続けたお2人に、frogsに参加しての変化や関連するエピソードをお話しいただきました。


 

プロフィール


▼犬塚真桜さん(常陸frogs 1期生)

宿泊施設スタッフ1年目(2022年4月現在)

常磐大学2年生のときに常陸frogsに参加。同期の小貫惟香さんとサービス構築に取り組み、LEAPDAYでは食と言語学習を掛け合わせた「食卓を囲みながら生まれる会話から言語を学ぶサービス」をプレゼン。2022年4月からは千葉県内の宿泊施設に勤務。


▼小貫惟香さん(常陸frogs 1期生)

日本大学危機管理学科 2年生(2022年4月現在)

水城高校3年生のときに常陸frogsに参加。同期の犬塚真桜さんとサービス構築に取り組み、LEAPDAYでは食と言語学習を掛け合わせた「食卓を囲みながら生まれる会話から言語を学ぶサービス」をプレゼン。現在は大学で危機管理を学びながら、今後の道を模索している。

 

<思いきって飛び込んだfrogs。高め合える仲間との出逢いが、内なる情熱に火をつける。>


ー先日は3期のLEAPDAYに来てくださり、ありがとうございました!今回はOBOGのビフォーアフターという切り口で、お話を聞かせていただきたいなと思っています。まず初めに、お2人がfrogsに挑戦したきっかけを教えてください。


犬塚:チラシに掲載されていた「やるかやらないか」の言葉を見て、挑戦を決めました。大学で、地域の経営者がゲストスピーカーとして来てくださる授業があり、その中でfrogsのチラシが配られました。チラシが配られたり、イベントの案内をいただいたりすることは日常茶飯事。そこからアクションを起こすことは少なかったのですが、母からryukuyufrogsの取り組みを聞いていたこともあり、チャレンジしてみたいと思ったんです。

説明会では、登壇者も参加者も、メラメラ・ガツガツした空気感で…。前向きに行動している人たちのコミュニティに入るのが初めてだったので、「自分もここで成長したい!その温度感の中に自分も混ざりたい!」と思いました。

小貫: 学校で配られたチラシの裏面を見て、すぐに食いつきました。内容は後回しで、「シリコンバレーに行けるの!?」と(笑)その後、説明会に参加し、グループワークがすごく楽しくて…。それぞれ自分の意見がはっきり出る空気感が良いなと思いましたし、そこに自分がくらいついていくという感覚がすごくおもしろかったです。さらに、ゲストとして来てくださっていたryukuyufrogsの方々から話を聞いて「めちゃくちゃおもしろいじゃん!」と思い、挑戦を決めました。

それまでは、おもしろそうと思っても、実際に足を運ぶことはありませんでした。当時高校2年生で、「何か自分で行動しなきゃ」と思っていた時期に取り組みを知り、行動起こせて良かったと思っています。母は「自分ができる範囲なら、やりたいことをやればいいんじゃない」と見守ってくれました。


―お2人とも、説明会に参加して、さらにモチベーションが上がったのですね!プログラムがスタートする前後で、心境の変化はありましたか?

犬塚:初めは「やるぞ!」という気持ちプラス、「こういうことをやって、こういうことをやっていくよ」とある程度教えてくれるのかなと心のどこかで思っていた自分がいました。しかし、実際に始まってみたら自由という感じだったんですね。時間の使い方も、どう行動していくかも自分次第。学校はやることも分かっているし、やったらどうなるかも教えてくれるし、レールも敷いてくれる。でもfrogsは、自分から行動しないと前に進まない。ぼーっとしているだけでは何も始まらないことをすごく感じました。

小貫:これまで自分の意見に対して賛成意見しかもらったことがなく、批判意見をもらったことがなかったんです。自分が出した案に対して、その場で真っ正面から意見をもらうという経験は、新鮮でした。向き合ってくれているからこその言葉だと思い、純粋に嬉しかったです。学校は器用な人が上手くやっていけると感じていますが、frogsは器用さではごまかせない。そのことに自分が気づいていないとやっていけないとも思いましたね。


※今回の取材は2人がチームを組むことになった思い出の場所『地域貢献型シェアハウス コクリエ』にて実施。コクリエを運営するのは協賛企業としてお世話になっている『株式会社ユニキャスト様』。




<”自分次第”という難しさ。本気で向き合ってくれる人と仲間の存在が、私を強くする。>


ー早い段階で気づきがあったのですね。その後の半年間で、心に残っているエピソードがあれば聞かせてください!

小貫:シリコンバレー研修(現:グローバル研修)の際、中途半端な状態ではごまかせないことは分かっていたはずなのに、自分が持っているサービスが何もなく、その状況をどう打破するのかも思いつかず悔しい思いをしました。もちろん、研修で得たものは大きかったですが、何かを持って行ったときとそうでないときでは得るものが全然違っていたはず。ただ行っただけの人になってしまったなと、心残りがあります。しかし、嬉しいこともありました。何かできることをと思い、メンターさんに「この時間空いてますか?」とアポを取り、話しに行ったときのことです。結果、こてんこてんにされたのですが、最後に「いつでも待ってるからね」と言ってくださり、悔しいけれど、ちゃんと向き合ってくれる人がいる喜びを感じました。

犬塚:シリコンバレー研修からLEAPDAYまでの期間に、心に残る出来事がたくさんありました。私は同期の関根康太と一緒にサービス構築に取り組んでいたのですが、シリコンバレー研修終盤に、康太から別の課題に取り組みたいとの話があり…。私はそのテーマには同じ熱量でできない気がしたし、康太は私に相談してくれた時点で新しいサービスづくりを始めていて、「サポートどころか足手まといになる、一緒にやるべきではない」と思い、帰国後チームを解散することにしたんです。康太はそのまま新たなサービスを構築し、PRD(中間発表会)もそのサービスについてプレゼンしていました。一方で私は、PRDでプレゼンできるサービスがなかったので、プレゼンに替えて「サービスを仕上げることができなくて、これから必ず見つけていきます」と打ち明けしました。今思えば、康太とチームを組んでいたとは言え、康太の意見に自分が意見するばかりで、自発的な関わり方をしていなかった。なので、一人になり、とても困ってしまったんです。


PRDで現状を打ち明けたのは10月のこと。その後も、新しいサービスは思い浮かばないし、どこを目標にしていいか分からなくなり、やる気も下がっていた期間が続きました。他の選抜生はプレゼンのブラッシュアップやプレゼン練習をしている中、私は地中に埋まってたぐらい停滞していて…。そんなとき転機となったのが、歴史に残る『鬼ミーティング』です。私がお願いして、ryukyufrogs organizer山崎さん(現:all-frogs organizer)、常陸frogsファウンダーの小林さん、メンターの菅原さん・和田さんに集まっていただき、オンラインでミーティングをしました。そこで「甘いよ」とボコボコにされまして…(苦笑)当時私は、サービス構築ができずLEAPDAYに登壇できなくても、これまで応援してくださった方々や協賛企業の方に、「面と向かってしっかりお礼を伝えることで感謝の気持ちが伝わるのでは」と思っていたんです。でもryukyufrogsから想いを継いで常陸frogsが始まり、一から協賛を集めて、研修を受けさせていただいてという中で、その考えは甘かった。「これまでありがとうございました」という感謝の気持ちを表すには、言葉ではなく、登壇している姿でしか表すことができないと、気づかせてくださったんです。今まで申し訳ない気持ちと、ここから頑張り続けられるのかという不安、やりたいことをやりたいという気持ちなど、感情が思い出せないほど当時のさまざまな感情が入り混じっていたのですが、数日考えて「私も登壇して行動で気持ちを伝えたい!」と決心しました。この出来事は、私の人生の中でとても心に残っていますね。


―悔しい思いを力に変える、痛い思いをしても前向きに捉えるお2人、素敵です!

犬塚:こんなに真剣に向き合ってくれる人がいるということが、嬉しかったんです。参加してくれたメンターさんたちは、今後の私の人生を考えて言葉をくれたんだなと思います。

もうひとつ、最終選考会で一緒になったみんなの顔が浮かんだんです。1期の最終選考会は、1泊2日の現地開催。最後に会場で選抜生の名前が呼ばれるという形でした。目の前で悔し涙を流していた仲間や、「真桜ちゃんがんばってね!」と言ってくれた仲間に、「私のほうが頑張れたのに」と思われないよう、必ずやりきろうと思いました。


※犬塚さんは小貫さんのことを「おぬきち」と呼び、小貫さんは犬塚さんのことを「真桜」と呼んでいる。



―仲間の存在も大きかったのですね。その後、犬塚&小貫チームが誕生したそうですが、どのような経緯があったのでしょうか?

小貫:最終合宿のときに、私が真桜に声をかけました。私はずっと一人でサービス構築をしていたのですが、PRD後も行き詰っていて…。にもかかわらず、仲間に助けを求めることも、自分をさらけ出すこともしなかった。これまでの研修で、真桜とやりたいことや感覚が近いな、グッとくるポイントが近いなと感じていたのですが、声をかける決心がつかず…。最終合宿の1日目の夜、メンターさんに「真桜と一緒にサービスをやりたいと思っている」と伝えたことで決心がつきました。翌日、真桜に話をし、「一緒にやろう!」との返事をくれてすごく嬉しかったですし、「これまで一人でやっていたのは何だったんだろう、最初からこうすれば良かった」と気づきました。

犬塚:私も嬉しかったです。「一緒にやろう!」と返事をしたとき、おぬきちの顔がパッと明るくなったのを覚えています。そこから「何やる?何やる?」とエンジンがかかったので、「よかった、私も早く声をかければよかった」と思いました。その後は、お互いを癒し合ってサービスを進めていきました(笑)LEAPDAYまで時間がなく、とにかく必死だったので、分業して進めました。

小貫:真桜とチームを組んでからは「なんでもできるんじゃないか」という高ぶりがありましたね。LEAPDAY数日前に、2人の意見がガッチリ一致したときの感覚を鮮明に覚えていて、frogsに挑戦してよかったと思った瞬間です。

実は、それ以前に「私は登壇する側ではなく、支える側に回るよ」と仲間に話したこともあるんです。それでも選抜生として選んでいただいていますし、これまで研修で得てきた成果を表現できないのも悔しかった。もっと早く動いていればと今になって思いますが、LEAPDAYはそのときの精一杯の自分で挑みました。

犬塚:LEAPDAYには、PRDのゲストとして来てくださっていた、ERRORs株式会社 代表取締役の柏谷さんや、ryukyufrogs organizerの山崎さんもいらっしゃいました。お二方とも、サービスがない状態の私たちを知っておられるので、プレゼン後にがんばったねと泣いてくれて…私たちも涙がこぼれました。途中、言葉が出ずに流れが止まってしまった場面もあり、綺麗なプレゼンではありませんでしたが、その状況でも何とかくらいついていく姿を見てくれたのかなと思います。

※久しぶりに再開した2人。「普通の友達とも違うし、家族とも違うし、毎日連絡を取ろうという感じではないのですが浅い友人でもなく…不思議な関係」だといいます。




<壁を乗り越えやりきった!その経験が”本当の自信”となり、自らアクションを起こせる人に。>


―frogsに参加して約3年。小貫さんは2年目の大学生活、犬塚さんはこれから社会人生活が始まろうとしている今、frogsでの経験がどのように活きていると感じますか?


犬塚:自分の人生を自分で選択できるようになったことが、今に活きていると感じます。例えば就職活動。学生は大手採用サイトから企業を探すことが多いと思うのですが、私は「ここに入りたい!」と思った企業に直に電話をしたんです。その後、面接をしていただき、内定をいただくことができました。直に電話してきた学生はこれまでいなかったそうで、熱意が伝わったのかなと思います。みんなと同じルートだったら、「みんなの中の誰か」だったかもしれません。frogsを経験していなかったら、その勇気はなかった気がします。 自由は怖い。結局は自分次第で、自分から動かないと何も始まらない。それは日常においても同じ。その気づきから、動き出さなきゃという気持ちや、出逢えたからにはその人から全部吸収しようという気持ちも芽生えました。 小貫:人に自分の熱量を見せるのに、戸惑いがなくなりました。恥ずかしいことではなく、良いこととして捉えられるようになったことで、自分が「やりたい!この人と関わりたい!」と思ったら積極的にアクションを起こすようにしています。待っていてもチャンスはやってこない。今は大学のおもしろそうな教授に話を聞きに行ったり、友人や出逢った人に自分を見せてみたりして開拓しています。自分を見せていくことで、世界が広がっていくんだなと感じています。

犬塚:やりきれたことで、自分に自信がつきましたね。私は今まで適当にやることで表面上では何でもこなせてきてしまったので、何でもできるだろうという変な自信があったんです。でも、frogsでその変な自信が砕け散り、そこから寄せ集めていき...これが本当の自信なんだと思えるようになりました。

小貫:自分に自信がついたのもそうですし、少しのことではへこたれないだろうと思うようになりました。今やらなかったら中途半端で終わってしまうんだろうな、やらなきゃ嫌だな、という感覚も、より強くなりましたね。やりきればいいだろう、ではなく、せっかくならやりきりたい。そんな考え方に変わりました。


―frogsでの経験が、今につながっているのですね。今後についてのお話も聞かせていただけますか?

犬塚:まずは就職先のみなさんの期待に応えたいです。実は、ホテルがどんな雰囲気なのかを目で確かめたくて、面接の前にこっそり前泊したんです(笑)若い人が元気で、意見を言える人が多いな、挑戦しているようなホテルだな、という印象を受けました。目上の方に気を遣うことはもちろんですが、変に意見を合わせるのではなく、自分なりに勉強しながらより良いサービスにつながる提案ができたらいいなと思っています。“業務だから“ではなく、本心から動ける人を目指します。仕事を頑張りながら、千葉でもfrogsのような活動に参加したいですね。

小貫:私は「人を助けたい、人に関わりたい。社会の暗黙の了解となっている格差をなくしたい。」という想いはあるのですが、自分にできることを探している状態です。今興味のある、子供や女性に対する差別やLGBT、宗教的な差別などついて勉強しているところです。通っている学部が特殊なこともあり、おもしろい教授がたくさんいるので、自分からアポを取って話を聞きに行くようにもしています。 これだ!というものを、じっくり見つけていきたいと思います。





<茨城でこの経験ができたことに感謝。>


―最後に、frogsでの出逢いを通して、茨城の見え方がどのように変わったか聞かせてください!

犬塚:「自分を変えたい!成長したい!こうなりたい!」と言ったとき、力を貸してくれる人や、動き出させてくれる大人がたくさんいることに気づきました。frogsを通して出会えた方々は、素敵な人ばかり。本当にお世話になりました。岩手出身者として、茨城は『自分の出身地肯定感』が少ないように感じていましたが、シンプルに茨城すごくいいじゃんと思うようになりました。

小貫:茨城にも素敵な人や、おもしろい人がいるんだと気づきました。プログラムを終えた今も、帰省するたびに、frogsを軸とした新しい出逢いがあります。ryukyufrogsから全国に展開するとなったときに茨城が手を上げてくれたことに感謝ですし、茨城に住んでいてこの活動ができたことに感謝です。

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